よいごみ、わるいごみ (もしくは Plastic Plenet )
とある海岸で、拾い集めたプラスチックの記録
環境中に放棄されたプラスチックが劣化し、細かくなって、
いつまでも自然環境の中に残り続ける、
という問題は、僕たちの住む地球にとって非常に切羽詰まったものになっている。
この問題に目を向けてもらおうとして、
ビーチクリーンが盛んに行なわれている。
だが、多くの人達にとって、自分が出してもいないゴミを拾うというのは、
非日常的であり、少し煩わしい行為だ。
もちろんそれは僕にとってもそう。
出来る事なら、色や形が面白い貝殻や石や、生き物たちを見つけて砂浜を楽しんでいたい。
しかしそう思って浜に出て、波打ち際をじっと眺めてみれば、
多種多様なプラスチック片が次々と、目に飛び込んで来るのだ。
ある時から僕は、それらを拾うために海岸に出掛けるようになった。
しかし砂浜にある幾千のゴミを前にして、ひたすらに拾い続けるのは骨の折れる作業だ。
ふと、この行為に終わりが来るのかどうか分からなくなり、僅かずつでも続けていくための方法を考えることにした。
1回に1時間だけ、目に留まったプラスチックゴミを拾い、洗ってキャンバスに張り付ける。
その日付と時間、場所をタイトルとして、ゴミ拾いの行為を記録してしまおう、という試みだ。
ゴミをゴミとして捨てるために拾うのではなく、作品の素材として使用する為に拾う、
それまでマイナスだった気持ちがプラスのエネルギーに変わったような、妙な感覚が僕の中に芽生えた。
米山幸助
・・いつの日かキャンバスに何も貼り付けられなくなる日が来ることを願っています。