印画紙上に直接ものを置き、光を当てて画像を得る=フォトグラム。
この原初的な写真技法を駆使し、西村陽一郎は未見の美を作品化してきました。
その視線はつねにあえかな存在に注がれます。シャボン玉、鳥の羽毛、雑草、花、そして虫や蝶…。
真夏のGallery Nayutaでは「小さな生き物」と題し、作家が捉えた“いのち”の煌めきをご覧いただきます。
(企画 佐藤香織)
Photogram is a primitive photographic technique to catch images by simply placing an object directly on printing paper and throwing light over it.
Yoichiro Nishimura freely and willingly uses this method to create unknown beauty.
He keeps his eyes on delicate things such as bubbles, feathers, weeds, flowers, bugs, butterflies and so on. Find the momentary brilliance of little living things that the photographer captured in the high-summer exhibition “Dedication to tiny lives” at Gallery Nayuta.
(Curated by Kaori Sato)
「庭で見かけたカタツムリやトカゲ、街灯に飛んできたカブトムシなど、初夏から夏にかけて出会った小さな生き物たちの影を写した。
暗室で彼らを手のひらに乗せ、その澄んだ息遣いや微かな蠢きを間近に感じた時、何かが私の深いところまで伝い降りてきて、共鳴した。
(西村陽一郎)」
西村陽一郎
1967年東京都生まれ。美学校写真工房修了。撮影助手を経て1990年に独立、フリーランスの写真家として活動を始める。フォトグラム(カメラを使わない古典的な暗室技法)やスキャングラム(スキャナを使ったフォトグラム)を中心に、植物や水、昆虫、ヌードなどをモチーフとした作品を発表している。個展、グループ展多数。
西村陽一郎展「小さな生き物」
Yoichiro Nishimura Exhibition[ Dedication to tiny lives ]
2017.7.28(Fri)-8.12(Sat)
Open: 12:00-19:00
Closed: 月曜&火曜 / Monday & Tuesday